【アミノ酸スコアの解説】栄養バランスの良い食事を心がけよう!

私たちの体は、日々の食事によって大きく支えられています。

ダイエットやボディメイクを意識してトレーニングすることも大切ですが、理想的な体を作る上で、栄養バランスの整った食事は欠かせません。

今回は、健康・美容・ダイエットに深い関わりがある「アミノ酸スコア」について、わかりやすく解説します!

目次

アミノ酸スコアはタンパク質栄養価のバロメーター

そもそも「アミノ酸スコア」とは、タンパク質の栄養価を示すバロメーターのことを指します。誰もが1度は耳にしたことがあるアミノ酸ですが、大きく分けると次の2つに分類されています。

  • 必須アミノ酸 → 体内で合成できないアミノ酸
  • 非必須アミノ酸 → 体内で合成できるアミノ酸

必須アミノ酸は体内で作り出すことができないため、食品から補給する形で摂取しなければいけません。

そんな必須アミノ酸には、全部で以下の9種類が存在します。

必須アミノ酸
  • バリン
  • イソロイシン
  • ロイシン
  • メチオニン
  • リジン(リシン)
  • フェニルアラニン
  • トリプトファン
  • トレオニン(スレオニン)
  • ヒスチジン

このすべての必須アミノ酸にはそれぞれの必要量があり、それをどのくらい満たしているのかを表しているのが、アミノ酸スコアです。

これはよく紹介されている「桶の理論」なのですが、一つ一つの必須アミノ酸を1枚の板に見立てて筒状にします。

すると、中に水(タンパク質)をいれたときに、板の高さが全て合っている方が、多くの水(タンパク質)を摂取できますよね。

反対に、どれか1つでも板の長さが短いと、そこから水に例えたタンパク質がこぼれてしまいます。

これだと体内で少ないタンパク質しか生成することができないため、9つすべての必須アミノ酸が必要量を満たすことで、アミノ酸スコアを高くすることができます。

つまり、アミノ酸スコアの高い食材は、9つすべての必須アミノ酸が、バランスよく必要量配合されていることになります。

アミノ酸スコアの計算方法

アミノ酸スコア100の食材を知りたい方は、インターネットで調べることにより簡単に見つけることができます。

普段から食べている身近な食材のアミノ酸スコアを知りたい場合には、次の計算方法を用いることで誰でもスコアを算出することができます。

食品タンパク質の第一制限アミノ酸含有量(mg/gN)÷ アミノ酸評定パターン当該アミノ酸含量(mg/gN)× 100

ちなみに、上記の計算式の言葉の意味は次のとおりです。

  • 【食品タンパク質の第一制限アミノ酸含有量 】→ 最も足りない必須アミノ酸
  • 【アミノ酸評定パターン当該アミノ酸含量】→ タンパク質を構成する窒素1gが、9つの必須アミノ酸にどの程度含まれているのが好ましいのかを「FAO(国際連合食糧農業機関)」「WHO(世界保健機関)」「UNU(国際連合大学)」が、表に示した基準値

厚生労働省が発表している2007年以降の18歳以上のアミノ酸評定パターンは、こちらとなります。

アミノ酸評価パターン指数
ヒスチジン(His)15
イソロイシン(Ile)30
ロイシン(Leu)59
リジン(Lys)45
含硫アミノ酸(SAA)22
芳香族アミノ酸(AAA)38
トレオニン(Thr)23
トリプトファン(Trp)6.0
バリン(Val)39

食材別のアミノ酸スコア

では、具体的にアミノ酸スコア100の食材と、100以下の食材には、どのようなものがあるのでしょうか。

以下に、代表的な食材例をまとめました。

アミノ酸スコア100の食材

アミノ酸スコア100の食材
  • 豚ロース
  • 和牛もも肉
  • 鶏卵
  • 牛乳
  • 大豆

この上記5つの食材は、アミノ酸スコア100を満たしているため、摂取することによって体内で十分なタンパク質を生成することが可能です。

アミノ酸スコア100以下の食材

食材アミノ酸スコア
精白米61
小麦42
さつまいも83
しいたけ78
りんご56

上記でご紹介した食材に関しては、残念ながらアミノ酸スコア100を満たすことができませんでした。

しかし、これらのアミノ酸スコア100に満たなかった食材も、スコアが低いからという理由で嫌う必要はありません。

アミノ酸スコアは、あくまでタンパク質栄養価のバロメーターです。スコア100の食品だけ摂取していれば、完璧というわけではありません。

そこで注目したいのが、アミノ酸スコアの高い食材を意識的に摂取するメリットとデメリットです。

アミノ酸スコアの高い食材を意識的に摂取するメリット

アミノ酸スコアの高い食材を意識的に摂取することで得られる代表的なメリットは、次の3つです。

筋肉疲労が軽減される

アミノ酸スコアの高い食材は、上記でもご紹介したとおり、体内で十分なタンパク質を生成できます。したがって、筋肉の主成分となるタンパク質を効率よく補うことができます。

また、トレーニング時に引き起こされる筋肉疲労も、必須アミノ酸に含まれるロイシン、イソロイシン、バリンによって回復効果が高まります。

脂肪燃焼効果が高まる

必須アミノ酸の1つにヒスチジンがありますが、こちらは体内脂肪の燃焼を促す効果が期待できます。余分に蓄えてしまった脂肪を、効率よく燃焼するためのサポートを行ってくれます。

さらに、同じく必須アミノ酸の1つリジンは、不足することで脂肪燃焼の低下を引き起こします。アミノ酸スコアの高い食材を意識的に摂取していると、リジン不足が解消され、燃焼しやすい体を手に入れることができるでしょう。

集中力・思考力がアップする

必須アミノ酸の中には、集中力や思考力アップにつながるフェニルアラニンが含まれます。神経伝達物質を生成する働きがあるため、記憶力アップが期待できます。

また、フェニルアラニンには精神を高揚させることで活力がみなぎるといった効果も、期待されています。

アミノ酸スコアの高い食材を意識的に摂取するデメリット

アミノ酸スコアの高い食材には、上記でご紹介したような優れたメリットがあります。しかし、誤った方法で摂取してしまうと、次の3つのデメリットを引き起こす可能性があります。

内臓疲労のリスクが上がる

アミノ酸スコアの高い食材は、肉や鶏卵といった動物性タンパク質です。このような食材をメインに摂取していると、次のようなメカニズムで内臓疲労を引き起こす危険性があると言われています。

タンパク質を過剰摂取する → 体内で合成と分解が繰り返される → 余ったものは窒素になる → 有害物質であるアンモニアに変換される → 肝臓や腎臓に負担がかかる

STEP
STEP

アミノ酸スコアばかりを意識して食材を選んでしまうと、体にかかる負担が大きくなることを覚えておきたいですね。

カロリーオーバーになりやすい

タンパク質を多く含むアミノ酸スコアの高い食材は、カロリーも高くなりがちです。

脂肪分を考えて摂取していかないと、ダイエットに良いはずが、逆効果になってしまう場合もあります。

調理法や食材の組み合わせを考え、カロリーがなるべく抑えられる工夫をしましょう。

悪玉菌が増えて腸内環境が乱れる

私たち人間の腸内には、悪玉菌・善玉菌・日和見菌(どちらにも属さない腸内細菌)の、3種類が存在します。

アミノ酸スコアが高いからと豚ロース肉や牛肉ばかりを食べていると、吸収できなかったタンパク質が腸内に到達し、悪玉菌を増やす餌となってしまいます。

悪玉菌が善玉菌よりも優位に立つことで、日和見菌を味方につけて腸内環境を乱してしまう恐れがあります。

腸内環境が悪化すると健康を害するのはもちろんですが、口臭や体臭の原因にもなるので、要注意です。

アミノ酸バランスを考えて食材は上手に組み合わせるのが重要

アミノ酸スコアの高い食材は、タンパク質を十分に生成できることで、私たちの身体に良い変化をもたらします。

しかし、アミノ酸スコアばかりを意識しすぎてしまうと、体にとって必要な他の栄養素が不足してしまう可能性もあります。

重要なことは、複数の食材を上手に組み合わせて、アミノ酸バランスの良い食事を心がけることです。

アミノ酸スコアが低い食材も、他の食材と賢く組み合わせれば、体内に必要なタンパク質を十分に生成できます。どうしても不足してしまう場合には、サプリメントやプロテインも有効です。

サプリメントやプロテインは必須アミノ酸を簡単に補える

まずサプリメントですが、こちらは目的に合わせたアミノ酸が配合されているものを選ぶことにより、不足してしまった必須アミノ酸を補うことができます。

足りない分だけを気軽に補給できるのは、サプリメントならではの大きなメリットです。

続いてプロテインですが、こちらはほとんどの商品に「アミノ酸スコア100」と表示されています。

必須アミノ酸をバランスよく摂取することができるため、外食がちな人でも体に必要なタンパク質をしっかりと補給することができるでしょう。

まとめ

健康・美容・ダイエットを意識する上で、アミノ酸スコアを無視することはできません。

トレーニングで筋力アップするのも大切ですが、筋肉を増やすために必要な栄養素を補給するのも、忘れないようにしてくださいね!

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