筋トレを今までしたことがない人の中には、使える筋肉だけを効率よく鍛えたいと、考える人がいます。
- せっかく鍛えても使わなければ意味がない
- 無駄な努力(筋トレ)はしたくない
このような理由が主だと思いますが、残念ながらその考え方は間違いです。
なぜなら、世の中に使えない筋肉は存在しません。
では、ボディービルダーの筋肉はどうなのか?
そんな疑問が頭に思い浮かぶ人もいるでしょう。
そこで今回は、使えない筋肉はあるのかをテーマに、筋トレについてわかりやすく解説していきます!
目次
世の中に使えない筋肉は存在しない

まず冒頭でもお話ししましたが、世の中に使えない筋肉は存在しません。
トレーニングすることで鍛えられる筋肉はすべて、何かに使うことができます。
「魅せる筋肉」「使えない筋肉」といわれることが多いボディービルダーの筋肉も、使えない筋肉では決してありません。
美しい筋肉を競技するために使う筋肉を鍛えているだけで、無駄な筋肉ではないんです。
「マッチョなのに格闘技ができない」「マッチョなのにスポーツができない」といった基準で、使えない筋肉と表現されがちですが、それは単純に格闘技や一定のスポーツの練習をしていないからできないだけです。
したがって、筋肉があるから強くて何でもできると考えるのは間違いですし、使える筋肉と使えない筋肉があると思ってしまうのも、正しくはありません。
骨格筋の筋繊維には「速筋」と「遅筋」がある
そもそも人間の筋肉には、次の3つの種類があります。
- 骨格筋(こっかくきん)
- 平滑筋(へいかつきん)
- 心筋(しんきん)
それぞれに異なる役割を果たしており、トレーニングすることで鍛えられるのは骨格筋のみです。
そんな骨格筋の中にも「速筋」と「遅筋」があって、次のような特徴を持ちます。
速筋の特徴

まず「速筋」ですが、こちらは主に無酸素運動によって鍛えられる筋繊維です。
ダンベルやバーベルを持ち上げるといった、瞬発的にパワーを発揮するトレーニングを行った際に鍛えることができます。
速筋は、別名「白筋」とも呼ばれていますが、その理由は酸素ではなく糖分をエネルギーにする運動によって鍛えられるため、色が白っぽくなるからです。
身近なものでわかりやすく例えるのなら、白身魚です。
持久力を必要としない近海にいる魚は、速筋が発達しています。
赤色の色素タンパク質であるミオグロビンを多く含みません。
したがって、色が白身となります。
ボディービルダーも、持久力を高めるためではなく、筋肉を大きく見せるための筋肥大を狙ったトレーニングを取り入れるため、速筋を鍛えています。
遅筋の特徴

続いて「遅筋」ですが、こちらは酸素を使って脂肪を燃焼させることができる、有酸素運動に適した筋繊維です。
ミオグロビンを多く含む筋繊維となるので、別名「赤筋」と呼ばれます。
上記でご紹介した速筋のようなパワー型の筋繊維ではありませんが、小さな力を長く持続的に発揮できる筋繊維となるので、マラソン選手などが必要とする筋肉です。
こちらも身近な食品である魚に例えると、長い距離を泳ぐマグロやカツオといった赤身魚に多く含まれる筋繊維です。
日々の生活の中で持久力が必要とされる人には、欠かせない筋肉となりますね。
筋繊維の種類によって得意な競技は異なる
ここまでのお話でだいたいイメージは掴めたかと思いますが、パワー型の「速筋」と持久型の「遅筋」は、それぞれ使える場面が異なります。
瞬発的な力を必要とする競技には、速筋が必要になりますし、持久力を必要とする競技には遅筋が必要となります。
アスリートは、必要な力を効率よく発揮するために、ピンポイントで鍛えていくため、何をするかで使える筋肉と使えない筋肉が変わってくるわけです。
したがって、速筋を主に鍛えているボディビルビルダーが、遅筋を日ごろから鍛えているランナーに勝てないのは、ある意味当たり前であると言えるでしょう。
ダイエットには速筋と遅筋をバランスよく鍛えるのがおすすめ
目的に応じて、一方の筋肉を極めることも必要ですが、ダイエット目的で筋トレを始めるのなら、速筋も遅筋もバランスよく鍛えるのがおすすめです。
無酸素運動が主となる速筋を鍛えるトレーニングでは、見た目の筋肉量が増えることで体を引き締めることができます。
筋肉が増えることで代謝も高まるので、太りにくく痩せやすい体作りができるでしょう。
なお、女性はもともと脂肪量が多いため、よほどやりすぎないかぎり、マッチョになる心配はありません。
そして有酸素運動が主となる遅筋を鍛えるトレーニングでは、体の脂肪分を燃焼させることによって、痩せることができます。
減量はもちろんですが、体脂肪を燃焼させることで見た目をすっきりとさせることができますね。
さらに遅筋を鍛えるトレーニングは、インナーマッスルを強化することができます。
ボディメイクに、有酸素運動と無酸素運動をバランスよく取り入れた方が良いといわれているのは、まさに速筋と遅筋のどちらもバランスよく鍛えるのが、好ましいからだといえるでしょう。
まとめ
正しいフォームで効率よく筋トレを行っていれば、使えない筋肉が無駄についてしまうなんてことはありません。
むしろ、鍛えることができた筋肉は必ず何かに使えます。
心配なのは、使えない筋肉を鍛えてしまうことではなく、誤った筋トレで筋肉を効率よくつけられないことです。
筋トレをこれから始めてみようとお考えの人は、関節を痛めたり筋疲労を悪化させたりしない正しいトレーニング方法を学びましょう!